Googleがイベント「The Android Show: I/O Edition」を開催!Android 16などの特徴を紹介

既報通り、Googleは13日(現地時間)、同社が開発・提供するスマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」やスマートウォッチ向けプラットフォーム「Wear OS」の最新情報を紹介するオンラインイベント「The Android Show: I/O Edition」( http://android.com/io25 )を開催し、次期バージョン「Android 16」および「Wear OS 6」において数年ぶりのユーザーインターフェース(UI)の大規模なリニューアルなどといった最大のトピックの一部を発表しています。

Android 16やWear OS 6のUIはこれまでの「Material You」デザインをベースにより多くのカスタマイズオプションを提供する「Material 3 Expressive」デザインにリニューアルされ、AndroidやWear OSの核であるパーソナライゼーションを拡充して自分のスタイルや個性を表現する新しい自分だけの特別な方法を提供し、さらにスムーズな操作性と一目でわかる役立つ情報の提供を実現します。またAndroid 16およびWear OS 6ではパートナーと連携してさらに多くのデザインの改善を実施しており、これらのアップデートは今年後半にPixel製品で先行して試せるようになる予定だということです。

またAIサービス「Gemini」をパソコンやスマホ、タブレットの枠を超えて拡張し、あらゆる製品において真にスマートで役立つアシスタントを提供するべく、新たに今後数ヶ月以内にWear OSやAndroid Autoに対応させる予定で、自然な会話ができて言葉を正確に聞き取ったり、小さな画面にぎこちなく入力したりする必要はなく、自転車に乗っている時などでもパソコンやスマホなどが手元にない時でも便利にGeminiが使えるようになるとのこと。さらにGeminiは新しいプラットフォーム「Android XR」とも統合されます。

一方、これまで提供されてきた「Find My Device(デバイスを探す)」が新たに「Find Hub」に進化し、持ち物や家族、友人の場所がさらに簡単にわかるようになり、パートナーも増え、新たにMokobaraやPeak、Pixbee、Motorolaなどが追加され、Motorolaの「moto tag」は初めてUWB(超広帯域)に対応してより詳細な位置情報が確認できるようになり、さらにFind Hubは今年後半に衛星通信サービスを統合して安全性をより高め、携帯電話ネットワークの接続がない場合でも友人や家族とのつながりを維持できるようにし、来年初めには航空会社と連携して紛失した荷物の回収がスムーズになる予定だということです。

さらにセキュリティーについても2017年にリリースしたAndroidの「高度な保護機能モード(AAPM)」が強化・拡張され、強力なセキュリティー機能を簡単に有効化できるようになり、またGoogleの「メッセージ」アプリにおいてAIを活用した詐欺検出機能が強化され、これまでも毎月数十億件もの不審なメッセージをブロックしてきましたが、詐欺の検出能力も向上し続けており、危険な暗号資産詐欺や金融詐欺、有料道路詐欺、ギフトカード詐欺などのさまざまな詐欺を検知し、すべて製品上で行われるため、会話のプライバシーが保護されながら利用者の安全を守てくれます。

その他、同社では昨年11月より提供しているAndroid 16のプレビュー版・ベータ版の最新バージョンとなる「Android 16 Beta 4.1」を同日5月13日に提供開始しており、同社が展開する「Pixel」ブランドの「Pixel 6」および「Pixel 6 Pro」以降のスマートフォン(スマホ)やタブレット「Pixel Tablet」にて「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )からネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)で導入できるほか、ファクトリーイメージやOTAイメージも配信開始されています。

Android 16 Beta 4.1はビルド番号が「BP22.250325.012」、Androidセキュリティーパッチレベルが「April 2025」、Google Play servicesが「25.07.34」となっており、APIレベルはAndroid 16の初の安定版となった前回の「Android 16 Beta 3」と同様に「API 36」となっています。またPixel製品以外でもAndroidエミュレーターでも試せ、エミュレーターではx86(64bit)およびARM(v8-A)がサポートされています。

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Material Youデザインはこれまでに数十億台ものAndroidを搭載するスマホやタブレットなどに搭載され、より人間的で親しみやすく、利用者のニーズに根ざした体験を提供してきましたが、新たに導入されるMaterial 3 ExpressiveはMaterial Youをベースにさらに多くのカスタマイズオプションを提供することによって真の自分を表現できるようになるということです。またMaterial 3 Expressiveはより滑らかな操作感を実現し、より自然で弾力のあるアニメーション効果を導入しており、日々のルーティンに喜びのひとときをもたらしてくれるとのこと。

例えば、通知を閉じると、その隣にある他の通知もドラッグにさりげなく反応したり、通知をスタックから外すと、心地良い触覚的な振動が感じられるようになります。さらに最近使ったアプリでアプリを閉じるとき、音量スライダーを変更するとき、シェードを下ろすときなど、画面全体で同じような瞬間が起こり、シェードの背景を微妙にぼかして奥行き感を出すことによって動きが軽やかに感じられ、バックグラウンドで使用しているアプリを意識せずに操作できるとしています。


デザインはモダンな美しさと機能性の向上を両立させており、クイック設定をカスタマイズして懐中電灯やサイレントモードなどのお気に入りの操作をより多く配置できるようになり、重要な情報が通知に埋もれないよう配慮しています。加えてAndroidではダイナミックカラーテーマやレスポンシブコンポーネント、強調されたタイポグラフィーもアップデートされ、画面を自分のスタイルや好みに合わせてカスタマイズできるようになるとのこと。

新機能のライブアップデート機能によって対象アプリからの配達状況通知を簡単に確認できるようになり、例えば、Uber Eatsで注文すると、配達の進捗状況を一目で確認できるライブアップデートが表示され、主要な配達アプリやライドシェアアプリ、ナビゲーションアプリからのリアルタイムの最新情報は画面の中央に表示されるので、見逃すことはありません。他にもGoogle フォトやGmail、FitbitなどのGoogleアプリにもこれらのビジュアルオプションを提供できるよう取り組んでいくということです。


一方、Material 3 ExpressiveはWear OS 6にも導入され、スマートウォッチでは円形ディスプレイを中央に配置し、ディスプレイの曲面に沿ってスクロールするアニメーションによって流れるようなデザインを実現しています。またスクロールするとリストがアニメーションし、奥行き感を与えて情報へのアクセスを容易にし、ピンパッドの使用やモーションとレスポンシブなフィードバックによるメディア操作など、日常的な操作性も刷新しているとのこと。さらに小さな画面に合わせて形状が変化する要素によってスムーズなトランジションを実現しているということです。

また時計に動的なカラーテーマを導入して時計の文字盤に選択したテーマがシステム全体に適用され、ディスプレイに沿うように伸びる一目でわかるボタンシステムも開発し、省スペースで簡単にタップできるため、タイルもより使いやすく、お気に入りの連絡先にメッセージを送信したり、ワークアウトを開始したりするなどの最も重要な情報やアクションに素早くアクセスできるようになるとしています。なお、Wear OS 6ではパフォーマンスの向上と電力の最適化を継続しており、実際にこのアップデートによってバッテリー寿命が最大10%向上する見込みです。


Google アシスタントによる音声コマンドはWear OSやAndroid Autoでも便利に使えていましたが、まもなくGeminiがWear OSやAndroid Autoにも対応し、より自然な会話を通して要望を理解してくれ、音声による操作の体験をさらに進化させ、完璧な指示やボタン操作に集中する代わりに運転や他のことに集中できるようになります。Geminiは今後数か月以内にWear OSとAndroid Autoで利用できるようになる予定で、その後、Google Built-in搭載車でも利用できるようになる予定です。

また今年後半にはGeminiがテレビにも搭載される予定で、Google TVでGeminiを使えば、子供の年齢に合ったアクション映画をリクエストするだけで最適なオススメが表示されるほか、エンターテイメントだけでなく、子供の太陽系に関する無限の疑問を質問に答えたり、より深く学ぶための最適なYouTubeの動画を表示したりすることによってさらに深く掘り下げるお手伝いもできます。

さらにGeminiはSamsung Electronicsと共同で開発中のAndroid XRと統合され、ヘッドセットからスマートグラスといったあらゆる次世代デバイスとの新しいインタラクション方法を実現します。Samsung Electronics初のAndroid XR対応ヘッドセットが今年後半に発売されると、Geminiは動画や地図、現地の情報を豊富に提供することによって旅行の計画などを支援し、わずか数分で旅程全体を作成して調査している場所をよりリアルに感じることができます。

他にもGeminiがSonyやSamsung Electronicsのイヤホンに搭載されることにより、どこにいてもどのAndroid搭載製品を使っていてもパーソナライズされた強力でプロアクティブなサポートをお届けできるようになります。なお、Android Autoは12社以上の自動車メーカーと提携し、Google搭載の次世代自動車を発売しており、これによって運転者はインフォテインメントシステムにGoogleの最高の機能をすべて組み込んで楽しむことができ、Google I/O 2025ではAndroid AutoとGoogleを搭載した自動車でGeminiを使ったのデモが行われ、運転の未来が披露される予定となっています。



記事執筆:memn0ck


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